ある糖尿病患者さんの足の話が悲しかった
「糖尿病患者は進行すると足の指などを切断することになる」という話はわりと有名で、だから気を付けなければいけないと言われますよね。
私は糖尿病と診断されてから6年が経ちますが、3大合併症はありますがとりあえず足には異常は今のところ見られません。
昨日たまたま見つけた府中病院様のサイトで、糖尿病が原因で足の指を失ってしまった患者さんの経過を読み、とても悲しくなってしまいました。
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ショッキングな画像が多数ありますので、苦手な方はご注意ください。いちばん下の症例がその糖尿病の患者さんです。
この糖尿病患者さんは足の裏にタコができ、そこから潰瘍ができたそうです。1枚目の画像を見ると素人から見ればそれほど大したことがないように見えますが、じつは内部で相当ひどくなっていたのでしょう。
潰瘍を切り広げましたが感染が落ち着くことは無く、足の指を1本、また1本と切除することになってしまいました。
血糖コントロールも悪く、結局は足の1/3ほど(足の指全部)を失うことになってしまい、初診から2年5か月後に全身状態が悪化すると同時に足の状態も再び悪化してお亡くなりになったそうです。
少しずつ悪くなってしまったんだね…
ちゃんと治療していたのにどうしてこんなことになってしまったのかしら!
糖尿病で足の指切断になるのはなぜ?
糖尿病患者は足に潰瘍ができやすく、いったんできてしまうとなかなか治りにくく、進行性で、重症になると足全体が腐ってしまう「壊疽」という状態になるのだそうです。
ではなぜ糖尿病患者の足に潰瘍ができやすいかというと「血管障害」「末梢神経障害」「感染症」の3つが考えられるのだそうです。
糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと全身の血管に動脈硬化が起こりますが、足の血管が狭くなったり詰まったりして血行が悪くなると、傷ができやすく治りにくくなります。
次に神経障害ですが、糖尿病で神経障害が起きると足に傷が出来ても痛みを感じにくいため発見が遅れたり、足が変形して体重のかかり方が変化してそこに傷ができやすくなります。
そして高血糖状態が続いていると細菌が繁殖しやすくなります。これらの原因が組み合わさって糖尿病患者の足に潰瘍ができやすく、治りにくく、最悪の場合は切断しなければいけなくなります。
早いうちに原因がはっきりすれば、たとえば足の血行が悪いのであればこれを改善するような治療を行うことが出来るそうですよ。
なぜこんな目に遭わなければいけないのか…
この患者さんはきちんと通院して治療を受けていたのにどんどん指を失い、2年5か月後に亡くなってしまいました。
この方の年齢や糖尿病の状態など詳しい事は分かりませんが『糖尿病のコントロールも悪く』とありますから、血糖値がある程度高い状態が続いていたのでしょう。食事のコントロールがあまりできていなかったのかもしれません。
これを見て「この人は糖尿病と言われても食事制限が出来なかったのだろう。自業自得だ」とか「糖尿病はとても怖い病気だ、発症したらおしまいだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でもね、こういう方を責めるだけで本当に良いのでしょうか…というか、この方たちはそこまでの「罪」を犯したのでしょうか?
糖尿病ではない方は平気で夜中にお菓子やラーメンを食べている方もいらっしゃるのになんともなくて、せいぜい太るぐらいだったりします。
でも、長年の習慣でどうしても甘いもの、ごはんなどがやめられなくて足の指を1本ずつ失っていったり、目や腎臓がやられていったり…どうしてここまでひどい目に遭わなければいけないのでしょうか。
また、糖尿病合併症はある程度進行してしまうと、そこからどんなに血糖値を良好に保ったとしても進行を止められないと言われています。
糖尿病と診断されたのが遅くて、そこから一生懸命やっても…という方も結構いらっしゃるのではないかと思います。真面目に努力なさっていたのに腎不全になってしまった方も何人か知っています。
上手い言葉が見つかりませんが、とにかくこの患者さんの話を読んでとても悲しくなったのです。どうかみなさん、足や目、腎臓などを守るためにできるだけの努力をしましょう。
他人事と思わないで、気を付けないといけないニャ!
足の裏に治りにくい傷などがあると思ったら早めに受診しましょう!