そのやり方、高齢の患者に適用できますか?
糖尿病のコントロールには食事療法と運動療法が重要ですが、運動療法は誰もが同じ内容で同じ強度でやれるわけではありません。
私は20代半ばで初めて妊娠糖尿病になる前、スポーツクラブで働いており高強度の筋トレや格闘技エクササイズなど大好きでした。
しかし40代の現在、当時と同じようにやれ!と言われてもとても無理だと思います…それは年齢のせいもありますし、糖尿病合併症があるためでもあります。
高齢者でボディビルなどに取り組んで成果を上げている方はいらっしゃいます。たいへん素晴らしいことです。
ただすべての人が同じようにできるわけではありませんし、糖尿病などの持病があると運動強度に制限がかけられることがあるのです。
マンガのC先生(今回が2回目の登場!)のように「とにかく筋トレしまくればいいんだよ」などと言うのは簡単なのですが、現実はなかなかそうはいかないのですよね💦
ふらつきなどがある方もいらっしゃいますしね。
高齢者に運動指導をしたこともあるけど、気を付けるべき点は多いと言われたわ!糖尿病だけではなく。
自分だけはいつまでも歳をとらない!?
若くて健康な方の中には、自分が将来歳をとっていくというイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれません。
私も独身時代にスポーツクラブで働いていた時は「このまま運動を続けて、私はずっと糖尿病にはならないだろう」と思っていました。
しかし、誰もが歳をとっていくことは残念ながら避けられないのです…年齢を重ねるほどに糖尿病になる方が増えるのも、年齢とともに耐糖能が衰えるからでしょう。
おじいさんやおばあさんでそんなに暴飲暴食なさっている方って多くないですよね…一般的には。それでも糖尿病になる方は多いです。
年齢とともに糖尿病を発症する方は増えますが、すでに糖尿病を発症している方も血糖コントロールが難しくなっていきますよね。
運動療法は若い時とまったく同じに行えない場合も多く、また糖尿病合併症やそのほかの持病のことも考慮しなければいけません。
糖尿病とは必ずしも関係なく、年齢を重ねると腎臓の機能が低下してくる方も多いのですが、こうなると使用できない飲み薬も出てきます。
「自分だけはいつまでも歳をとらないし、今と同じやり方でずっとこの先も同じようにやれるだろう」と思っていても、実際はそうならないことが多いと思いますよ。
やり方を柔軟に変えていく…
誰もが年齢を重ねていく以上、若い現在と同じやり方ではどうしても無理になる日が来る可能性は高いです。
その時は、その時にできる最善の方法で対応していくしかありません。必要に応じてやり方を変えていく事が必要です。高強度の運動は無理でも軽い運動ならできるかもしれません。
マンガの甘栗ミカコ先生がC先生にアドバイスしてもらおうと思ったのは「高齢で思うように体が動かせない患者でも安全に行える筋トレはどのようなものか?」ということであったはず。
誰もかも一律的に「こうすればOK!」と理想を語るのは簡単ですが、現実としてそれはかなり難しい事であります。
一部の人しか実践できない方法は「完ぺき」ではありませんよね。もっとも、すべての人が同じように実践できて効果抜群でデメリットのない方法など存在しないわけですけれど…
糖尿病は、長く付き合うことになる病気です。若くして発症した場合は特にそうです。これから歳を重ねていろいろなことが難しくなった時、どう病気と向き合えばいいのか…誰もが避けては通れない問題だと思います。
誰もが歳をとるってことを忘れてはいけませんね!
そうなったときどうしたらいいのか、少しずつ考えて対処していかないとね。