糖尿病と言われた!糖質制限を始める前に…
とうとう糖尿病と診断されてしまったあなた。あるいは、すでに糖尿病と診断されて治療を受けていたけれど、今までの方法だとイマイチなので糖質制限に切り替えようと思っている方もいらっしゃるでしょう。
どうやら世間では糖質制限が流行らしい、と書店に走り、それーっ!とさっそく始めたいところですが、ちょっと待ってください。
ダイエット目的の健康な方ならともかく(自分では健康だと思っていてもじつはそうではない場合もありますが💦)糖尿病のあなたは慎重に、慎重に。
よっしーの場合、糖尿病と診断される何年も前から江部康二医師の本を読んでいたので糖質制限に関してはある程度の知識はありました。ただ実践できなかったのです💦
そして糖尿病が悪化して入院し「糖尿病です」と言われてから主治医に相談して糖質制限を試してみることになったんです。
まぁ普通はなかなか「入院中に糖質制限を主治医の監視下で開始する」なんていうことまでは出来ないと思いますが、いくつか気を付けるべきことをお話します。
病気のある方は慎重に始めた方がいいですよね。
そうよ、健康な医師や管理栄養士でさえ「間違った糖質制限」をしてしまって体調を崩した方がいらっしゃると聞いているわ。
糖質制限してはいけない病気ではありませんか?
少数ですが「糖質制限してはいけない病気」の方がいらっしゃいます。こう聞くと「なんだ糖質制限は危険なのか」と思われるかもしれませんが、多くの食物にアレルギーの方がいらっしゃるようなものです。
生まれつき脂質をうまくエネルギーとして利用できない「長鎖脂肪酸代謝異常症」や、肝臓の機能がかなり低下していて肝臓で糖を作ることが出来ない状態の方、すい炎の方などで医師から糖質制限を禁止されている方です。
脂質をうまくエネルギーとして使えなかったり肝臓で糖新生(糖ではないものを材料に、必要な糖を作り出す重要な働き)がきちんとできない病気の方は糖質制限以外の方法を選ばなければいけません。
なお「腎臓が悪い人は糖質制限をしてはいけないのではないか?」と言われていますが、これに関しては専門家の間でも意見が分かれています。
よっしーは糖尿病腎症第2期(腎機能は正常だが腎臓のフィルターに少し穴が開いているような状態)ですが、今のところタンパク質をしっかり摂取しても大丈夫です。糖尿病腎症と高タンパク食に関する記事をお読みになって判断してください。
主治医には糖質制限のことを相談しましたか?
「糖質制限のことを話すと叱られるから主治医には内緒にしているの」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、インスリン注射や糖尿病の飲み薬を服用している場合には注意が必要です。それらを使用したまま糖質制限すると重い低血糖を起こす危険性があるからです。
インスリン注射の中でも24時間少しずつ分泌されている基礎分泌の代わりをするインスリン(ランタス、トレシーバ、レべミル等)は糖質制限しながら打てます。よっしーも最初7か月ほどランタスを打っていました。
しかし食事用のインスリン(アピドラ、ノボラピッド、ヒューマログ等)はいけません。1型の方で糖質制限しながらごく少量のアピドラ等を注射して上手にコントロールしている方もいらっしゃいますが、最初は糖質制限の事をよく分かっている医師に相談すべきです。
糖尿病の飲み薬の中にも低血糖を起こす可能性のある薬があります。2種類以上の薬を飲んでいる方は特に薬の相互作用も心配なので主治医に相談してくださいね。
ただ、糖質制限の事をよく理解しておらず「とにかく糖質制限はダメだ」とおっしゃる医師もまだ少なくないと思います。
そのような場合、薬やインスリンを使用していなければ黙って実践という方法もありますけど、思い切って理解のある病院に変えてしまうのも良いと思います♪
血糖測定器とブドウ糖は用意しましたか?
糖尿病と診断されたのであれば、軽度の2型糖尿病患者さんであっても自己血糖測定器は必ず用意するべきです。万が一低血糖を起こしたとき用のブドウ糖も!
何も毎日測定しなくても、たまに変だなと感じた時や未知なるモノを食べた後に血糖測定を行うことは重要ですからね。
糖尿病患者が風邪を引くと1日じゅう血糖値が高めになったり、高強度の筋トレでかえって血糖値が少し上がる事もあったりします。こういうことは測定しないと分かりませんよね💦
血糖値を測定したいと思った時にその都度指を針で刺して測定するタイプのものと、腕にセンサーを装着して14日間ずっと血糖値の変動(正確に言えば血糖値ではないのですが…)を見るタイプのものがあります。
後者は消耗品のセンサーがやや高価ですが、楽天市場でも購入できるので1度使ってみるといいですね。14日間のあいだにいろいろなことが分かるはずです。
「医師」が書いた本を最低1冊は読みましたか?
いま糖質制限がかなり流行しているので書店に行くとたくさんの「糖質制限本」がありますが、管理栄養士やスポーツトレーナーの書いた本ではなく「糖尿病患者を診察している医師」が書かれた本を読んでください。
いろいろな専門家の方が独自の「私はこう思う!」という考えを展開されていますが、糖尿病患者視点で読むと正直「???」と思うこともあるんですよ。
やはり、糖尿病患者さんはダイエット目的の方とは違う注意点がありますのでね…お勧めは江部康二医師の「糖質制限の教科書(ビジュアル版)」です。誰にでも分かりやすい!
妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠の方には産婦人科医の宗田哲男先生の本がお勧めです。宗田先生の患者さんたちは糖質制限で健康な赤ちゃんを出産されています。
栄養計算アプリをインストールしましたか?
「糖質制限はカロリー計算をしなくてもいい」と思うかもしれませんが、あまりにもたくさん食べすぎて痩せにくい人もいれば、逆に食べているつもりでエネルギーが足りていない人もいます。
特に「野菜はヘルシー」「脂質は健康に悪い」などと従来の健康のイメージからなかなか抜けきれない人が糖質制限を開始するとエネルギー不足に陥りやすいです。
肉を食べているつもりでも、たっぷりの野菜にちょっぴり肉の鍋とかサラダしか食べなかったり…栄養計算してみると驚くほど足りていないかも!?
わが家の14歳の長男は糖質オフをしながら身長177cmありますが(まだ成長中💦)はっきりいってものすごく肉を食べますよ~。ここ2年ちょいで20cmほど大きくなりました。上のプロテインクッキー(低糖質で高タンパク)が大好きです♪
「食べているつもりで足りてない」人は特に男性ではかなり多いはずです。女性ではタンパク質不足だと、鉄サプリだけ飲んでいてもなかなか貧血が解消しません。しっかり肉を食べましょう。
「食べなさすぎ」を見つけ出すためにも、慣れるまでは栄養計算をしたほうが良いと思います。あっさり料理ばかりチョイスしてエネルギー不足にならないように気を付けましょうね。
困った時に質問できる人(医師など)はいますか?
いくら本を読んでも、糖質制限を始めると何らかの困ったこと・わからないことは出てくると思います。
Yahoo!知恵袋などで質問する方もいますが、あれは誰が回答しているか分かったものじゃないのでアテにすると危険だと思います💦回答者が「自称医師」ってこともありますし。
江部康二医師は、ブログの過去記事を読んでもどうしてもわからなくて困ったことに関して質問すると丁寧に答えてくださいます。
糖尿病内科の主治医に質問が出来ない状況なら江部先生にブログで質問なさってみてはいかがでしょう?ただし、検索すればすぐ分かるようなことは迷惑がかかるのでNGですよ~。
Facebookをやっている方は糖質制限関連のグループがたくさんありますし、Twitterでは役に立つ情報を発信されているたくさんの方たちをフォローすることが出来ます。
ただし、目の前の患者と違い、あなたを診察していない医師が何か緊急事態に関して医療的なアドバイスはできませんので、「何かおかしい」と思ったらすぐに主治医に相談してくださいね。
いろいろな役に立つ情報を、あなたが主体性を持って自分で上手に取り入れながらいざという時は必ずきちんと主治医と相談することが大事です。
病気だから主治医とよく相談することは大事ですが、治療の主役は自分だということですよね。
そういうこと!自分の体と向き合い、内なる声によく耳を傾けましょう。そして、楽しみましょう♪
→糖尿病または糖尿病予備軍と診断されたばかりの方向けの過去記事まとめ(クリックで記事へ)