妊娠糖尿病なのに自己血糖測定をさせないってどういうこと?

妊娠糖尿病の妊婦さん

妊娠中の血糖コントロールはとても重要です

現在では、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の妊婦さんの血糖コントロールが良くないと母子ともに危険なので自己血糖測定を行い、必要に応じてインスリン注射や分食などを行うように指導されていると思います。

妊娠中に血糖コントロールが良くないとお腹の赤ちゃんが生まれつきの病気になる確率が上がったり、巨大児(ただ体が大きいだけではなく、肺の機能が未熟なため生まれた時呼吸困難に陥ることがある)になったりします。

赤ちゃんだけではなくママも妊娠高血圧症候群にかかりやすくなったり、糖尿病合併症がすでにある場合は悪化しやすくなります。

このように妊娠中の血糖コントロールはとても重要で、そのためにはこまめな自己血糖測定が欠かせません。

 

昔の妊娠糖尿病治療に関する漫画

 

2018年に「FreeStyle リブレ」の添付文書が改定され、妊娠中の女性もリブレを使用できるようになってますます妊娠糖尿病の血糖コントロールがやりやすくなりました。

千葉の宗田マタニティクリニックなど、妊娠糖尿病や糖尿病合併症妊娠の妊婦さんに糖質制限を指導している産婦人科もありますが、日本全体ではまだまだごく少数でしょう。

インスリン注射をする場合、自己血糖測定は特に大事です。血糖値を測定せずにインスリンを打つのは、目をつぶって車を運転するようなもの、熱を測らずに解熱剤を飲むようなものですよね💦

 

なごみ
なごみ

血糖値を測定しないでインスリン注射をするのは危険ですよね!

よっしー
よっしー

そうよ、自己血糖測定はとても大事なのね。

2004年に初めて妊娠糖尿病と診断されました

2004年に長男を授かりましたが、ある時たまたま空腹時血糖値が110あったので「父が2型糖尿病です」と告げるとOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)をすることになりました。

その産婦人科はホテルのような豪華な設備と最先端の検査機械があり地元でも評判の良いところでしたが、検査の結果は妊娠糖尿病でした。

OGTTで1時間後血糖値184、2時間後血糖値146、HbA1c(JDS)4.8と決して重症というわけでもなかったと思います。

 



 

しかし医師からは「あー妊娠糖尿病だね。うちでは出産を引き受けられないのでどこか大きい総合病院の産婦人科で産んで下さいね~」と言われてしまいました💦

その後は妊婦健診に通い、出産予定日が近くなると総合病院の産婦人科に通いました。どちらの病院でも「カロリーに気を付けるように」と指示されただけで自己血糖測定やインスリン注射、分食などの指導は皆無でした。

長男は少し大きめでしたが元気に生まれて、詳しい数値は忘れましたが出産2週間後に受けたOGTTでは正常値が出てほっとしたのを覚えています。

 

2006年は糖尿病合併妊娠だったかもしれない

長男が1歳を少し過ぎた頃に2人目を授かり、今度は長男を出産した総合病院の産婦人科に最初から通いました。

妊婦健診で尿糖が出たことは1度もありませんでしたし、前回の妊娠で妊娠糖尿病だったことはカルテにも当然書いてあるでしょうから、今回は医師から何も言われないので大丈夫なのだろうと思っていました。

ところが妊娠後期になって胎児の推定体重がどんどん増え始め、医師は慌てて検査をしたところHbA1c(JDS)が6.8で妊娠糖尿病と言われてしまいました💦

当時はそうかなーと思ったんですけど、今思えばHbA1c(JDS)が6.8というのは妊娠糖尿病ではなく「妊娠中に発見された明らかな糖尿病」の数値ですよね!!

 

妊娠糖尿病の妊婦さん

 

それなのになぜかたった1度同じ病院の内科に回されただけで、どういうわけか「カロリーに気を付けましょう」という指示しかされず、困り果ててしまいました。

玄米ご飯・味噌汁・おひたし・焼き魚・納豆みたいな食事で自分の体重はまったく増えないのに胎児の推定体重だけがどんどん増えていき、なすすべもなく予定帝王切開の日が来ました💦

「でっかいぞっ…」と医師が言い、弱々しい産声が3回上がったと思うと何やらあわただしい雰囲気に。そして小児科医が血相を変えて飛び込んできました。

長男の時は看護師さんが「おめでとうございます」と言いながらバスタオルにくるんだ赤ちゃんを顔の横まで持ってきて見せてくれました。



 

ところが今回は「いま先生が処置をしていますからね!!」…何が何だか分からないまま、次男はどこかへ連れて行かれてしまいました。

その後病室で小児科医から、赤ちゃんが呼吸困難に陥ったので人工呼吸をつけてNICUに連れて行かれたことを聞かされました。

妊娠糖尿病で血糖コントロールが悪いママから生まれた赤ちゃんは、しばしばこのようなことになるそうです。正期産だったにもかかわらず、次男がNICUを退院できたのは1か月後のことでした。

 

昔とはいえ自己血糖測定もさせないのはあんまりだ!

これは今から13~15年ぐらい前の体験です。今の妊娠糖尿病の妊婦さんたちから見れば「えーっ、分食もインスリン注射も自己血糖測定も無しなんてあり得ない!」と思われるでしょうね。

当時、他の病院でも同じように指導されていたのかどうかは分かりません。ただ事実として、よっしーには「カロリーに気を付けなさい」という指示以外は何も無かったのです。当時の詳細な記録をつけておいてよかった…

1989年(30年前)に発行された医師向けの医学書「糖尿病ワンポイントアドバイス」には、妊娠糖尿病について次のように書かれています。以下は本からの引用です。

 

「妊娠糖尿病は食事療法(カロリー制限)で十分コントロールし得る(中略)インスリンを必要とするものはNIDDM妊婦なのかもしれない」
※NIDDM…インスリン非依存型糖尿病、ほぼ2型糖尿病を指す言葉として使われていました。

「(妊娠糖尿病とは違い、真の)糖尿病は妊娠によってどんどんケトアシドーシスに陥っていくのでインスリン療法を必要とする」

 

その他、インスリン注射をしている妊婦さんは日に数回の自己血糖測定が必要であることが書かれていました。

長男を妊娠していたとき、よっしーの耐糖能異常はそれほど重度ではなかったため、インスリン注射や自己血糖測定までは必要ないと医師は判断したのかもしれません。

しかし次男の時はHbA1cの数値からも「妊娠中の一時的な耐糖能異常と言うよりは真の糖尿病を発症してしまった」可能性が高いのに、通常の妊娠糖尿病と同じようにみなされてしまったのでしょうか💦

現在では妊娠中の厳格な血糖コントロールがとても大切であるということが周知徹底されていますので、妊娠糖尿病と診断された妊婦さんがよっしーのような目に遭うことはおそらくないでしょう。

 


 

医学は日々進歩していますので、当時の医師をいまさら責めるつもりはありません…ただ、このような目に遭う親子が減る事を祈るだけです。

千葉の宗田マタニティクリニックのように、希望する妊婦さんには糖質制限を指導してくれる産婦人科もあります。

どうかママと赤ちゃんの健康を第一に考え、妊娠中に血糖値を良好に保って元気な赤ちゃんを出産なさってくださいね!

 

なごみ
なごみ

今は血糖測定が身近なものになりましたね。

よっしー
よっしー

Freestyleリブレも使えるし、本当に良い時代になったわ!

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