ブドウ糖は脳に良いから試験前に摂取すべきなのか?

ブドウ糖は脳に良いからs試験前に摂取すべきなのか?

脳のためにブドウ糖を摂取する必要があるか?

このごろネットで「試験前にブドウ糖をサプリメントやゼリーなどで摂取すると集中できる気がする!」と話題になっているようです。

私は若い頃フィットネスクラブで働いていましたが、プロショップで販売しているエネルギーゼリーは時々購入して飲んでいましたよ!

その後妊娠するとレッスンをしなくなりましたが、フィットネスクラブの仕事は妊娠7か月末まで続けていました。エネルギーゼリーを飲んでいたかどうかは覚えていませんが妊娠糖尿病になりました。


 

そして9年前に糖尿病が発覚してからは主治医の許可を得て糖質制限していますが、特に脳の働きが鈍くなったとは感じていません。

仮に大量のブドウ糖を摂取することが脳に良いのであれば、しょっちゅう飴を食べたり清涼飲料水を飲んでいる子供は間食しない子より頭が良いことになりそうですが、高校時代はそういう同級生はあまりいなかったです。「早弁」も見たことがなかったです!

ただ話題になるということは少なくとも一定数の方はその「効果」を感じているわけなので、ちょっと興味があるので記事にしてみることにしました。

 

にゃご
にゃご

ブドウ糖?オレ単独ではまったく食べないわ。

よっしー
よっしー

私もよ。ブドウ糖は用意しているけど低血糖にならないから…

 

エネルギー源としてのブドウ糖の重要性

ブドウ糖(グルコース)は脳にとって重要なものです。脳は他の組織と比較してエネルギーを多く必要とするため、脳への安定したブドウ糖供給が必要です。

食事で糖質を摂取すると、それが体内で分解されてブドウ糖に変換され、血液中に放出されて脳に届けられます。脳はブドウ糖をエネルギーとして利用し、不足すると認知機能や注意力などに影響を与える可能性があります。

ただし「脳に必要なブドウ糖はすべて食事から摂取しなければいけない」ということではありません。仮にそうであれば、糖質制限者や遭難者はすぐに脳の機能が低下して死んでしまうでしょう!!

夜遅くまで甘いものを食べまくっているわけでも無い限り、誰でも真夜中から朝食までは「糖新生」といって糖以外の材料からブドウ糖を作り出しています

血糖値が正常範囲内(健康な人で空腹時の血糖値は70〜100 mg/dL)では、通常は脳へのブドウ糖供給は十分に行われています。

 



 

何らかの理由でしょっちゅう低血糖になってしまう場合は外部からの糖の供給が必要な場合があります。

先日糖尿病内科の主治医に質問してみましたが、インスリン注射をしていない場合、そのような方はさほど多くないそうですが、稀に生まれつきの病気でそうなりやすい方がいらっしゃいます。腎臓がかなり悪い方も低血糖になりやすいそうです。

糖質制限してようといまいと、低血糖にならないのであれば血液を通じた脳へのブドウ糖供給はきちんと行われているということでしょう。

仮に血糖値が正常値より高い(=血管内のブドウ糖が普通の人より多い)ことが脳に良いなら、重い糖尿病患者は健康な人より脳の働きが良いことになりますけど、残念ながら糖尿病で血糖値が高いと明らかに認知症リスクが上がるんですねぇ…

 

血糖値が急上昇するのは良くない?

血糖値の急激な上昇や低下は、脳の働きを良くするどころか脳への悪影響を引き起こす可能性があります。特に私達糖尿病患者は、血糖値に気をつける必要があります。

血糖値が急激に上昇すると一時的な疲労感や眠気を引き起こすことがあります。また急激な血糖値上昇とそれに続く急激な血糖低下が起きやすい方たちがいらっしゃいます。この状況も眠気を引き起こす可能性があります。

血糖値が急激に上がると、「一時的に」エネルギー感や高揚感が感じられることがあります。これは、急激な血糖上昇が一時的に脳にエネルギー供給を増やすと脳の活動が刺激されるからです。

 

 

ただしこの効果は一時的で、その後に血糖値が急激に下がると逆に疲労感やだるさが現れることもあります。

お酒を飲んだ時に一時的に気分が高揚し、アルコール血中濃度が下がるとまた落ち込む方がいらっしゃるのと似ている気がしますね。

ちなみにアルコール中毒者が一定期間飲まずにいると「手のふるえ、悪寒、寝汗、イライラ、不安、焦燥感、睡眠障害」などの禁断症状がみられます。 こうした症状は、アルコールを飲むと「一時的に」治まります。 だからまた飲んでしまうのですね。

 

糖尿病のご家族がいる方へ…

ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test, OGTT)は、空腹状態でブドウ糖サイダーを「摂取し、その後一定の時間間隔で血糖値を測定する検査です。この検査は、糖尿病や血糖代謝の問題を診断するために行われることがあります。

私も妊娠中にこの検査を受けましたが、糖尿病と診断されてからは1度も受けていません。血糖値が上がりすぎて危険だからです!!

「入試や定期試験の前にブドウ糖を食べると脳にいいらしい」と思って若い方がブドウ糖を召し上がるのは別にいいんですけど、お父さんやお母さん、またはおじいさんやおばあさんが2型糖尿病の方は若くてもちょっと気を付けて。

今までいろいろな方に話を聞きましたが、親御さんが2型糖尿病だと、お子さんもまだ小学生でやせててスポーツもしているのに食後高血糖になっていてショックだった、というケースが有りました。


 

血糖値が上がりやすい体質の方は、若いうちから無理をしている(世間一般的には特別多い量ではなくても!)うちに耐えきれなくなって若くして糖尿病になる可能性があります。

血糖値は糖尿病と診断されていない人でも測定器を購入して自由に測定できるので、気になる方は若くてもブドウ糖を食べた後に血糖値を測定してみてくださいね!正常値をはみ出しているようなら、そういうことは控えたほうがいいかもしれませんよ。

そして糖尿病患者の方でよく低血糖になる方は、なぜそうなるのかを主治医とよく相談なさったほうがいいです。低血糖を繰り返すことは糖尿病網膜症の悪化認知症、睡眠中の突然死などのリスクを上げますから。

 

にゃご
にゃご

ブドウ糖を食べたい方は血糖値をチェックしてみるといいね!

よっしー
よっしー

若い方はまだそんなこと気にしないかもしれないけどね。

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