そこに「食べる楽しみ」はあるのかい?
「糖質制限は糖尿病患者の血糖コントロール法としては確かに優秀かもしれないけど、食べる楽しみを大事にしないのは良くない」なんてたまに言われますよね。
ちょっと待って、それって「糖質たっぷりのものにしか食べる楽しみを見出すことはできませんよ」と言ってるのと同じじゃない?
無理やりやらされているのならともかく、自分の意思で選択して糖質制限をしている患者に対して、それはあまりにも余計なお世話というものでしょう。
おそらく、そういうことをおっしゃる方は糖質が大好きなので、「糖質制限なんてとても考えられない!!」ということなのでしょう。よく分かります💦
しかし、世の中には実にいろいろな患者がいるわけです。健康な先生方から見れば「こんな美味いものを食べちゃいけないなんてありえない!!」と思って良かれと思ってインスリンを勧めて下さるのはありがたいです💦
しかし、もともと甘い物や主食をそれほど好きではない方もいらっしゃいます。Twitterのフォロワーさんの中にも、子供の頃から何となくそうだったという方も複数いらっしゃいます。
カロリー制限・脂質制限で大好きな肉料理をちょっぴりしか食べられない事の方が糖質制限よりずっと辛いと感じる患者もいるってことです。
自分基準で「この食事方法は辛いのでは?」「食べる楽しみがないのでは?」と言うのは、想像力が足りないかも。
みんな甘いものが大好きに違いない、というのも勝手な思い込みだな。
そうだよ、肉が大好きな人だっていっぱいるんだにゃー!
糖質制限しなければいけない患者がたくさんいます!
もともとあまり糖質が好きではない方やお肉が大好きな方もいらっしゃいますが、本当は甘い物やお米が大好きという方はかなり多いはずです。
それでも…そんなに好きだったものをやめてでも糖質制限しなければいけない糖尿病患者さんたちがいらっしゃるんです。
まず、すでに従来の糖尿病食を食べていてあまり血糖値が良くならなかった方です。私も若いころから玄米食と脂質制限、肉よりも魚、野菜と果物とキノコしっかりの食生活でした。
だから糖尿病と分かって入院してた時に病院食を初めて食べた時「えっ…これじゃ私が今まで食べていた食事とほとんど同じか、むしろ私が食べていた食事の方が野菜が多いじゃないの」と思って今後が非常に不安になったんです💦
それから、糖尿病合併症がある方ですよね。私もそうですが。アメリカでは最近糖尿病合併症が激減しているそうですが、残念ながら日本ではそうでもないようです。
以前、医師の方が「日本でも合併症は減っているはずです」とおっしゃるので「アメリカ並みに合併症が減少しているというデータがあればぜひ教えてください」と言ったら「無い」とのことでした。。
インスリン注射や薬なんて日米でさほど差がないはずなのに、なぜアメリカでは糖尿病合併症が劇的に減少しているのでしょう?ちょっと考えれば分かりますよね。
アメリカ糖尿病学会は以前から糖質制限をはじめ地中海食、DASH食、菜食など複数の食事療法を糖尿病患者の食事療法の選択肢として認めていました。
そしてとうとうアメリカ糖尿病学会の最新のコンセンサスレポート(専門家たちが最先端の科学的な知識と根拠に基づき、その時点における総意を発表するもの)では次のような記載がされました。
「すべての糖尿病患者に合う食事療法は存在しない」けれども、糖質摂取量を減らすことは糖尿病患者の血糖改善には今のところ最もエビデンスがあり、いろいろな食事療法と併用して良い。
また、血糖値がイマイチだったり糖尿病治療薬を減らしたい2型糖尿病患者は、かなりストイックなものも含め糖質制限を行うことは有効な方法である、とも。
少なくともネズミの実験よりは、同じ人類であるアメリカ人のやり方をわれわれ日本人も見習った方がいいんじゃないかと思いますね。
「食べる楽しみ」は自分でいくらでも見つけられる
↑↑↑これは今年2020年のお正月用に私が手作りした「低糖質おせち」です。安心して食べられるおせちがあまり市販されていないのなら自分で作ればいいじゃないですか♡
もともと食事制限のない方でも、自分で作るのが楽しいという方は山ほどいらっしゃいますよね?そう考えれば、ちっともみじめなことではなく、むしろ楽しいことだと思いませんか?
「食べる楽しみ」は工夫次第でいくらでも見いだせるものです。決して、健康のために「食べる楽しみ」を犠牲にしているわけではないのです。
もしあなたがどうしても糖質制限をしなければいけなくなったとしても、前向きに楽しみながら継続していきましょう♪
健康と食べる楽しみはいくらでも両立可能なんだな!
それって素晴らしいことだにゃー♪