カロリーが控えめなら血糖値もあまり上がらないって?
「カロリーが控えめなら血糖値もあまり上がらないでしょう?」と言われることがあります。果たして本当にそうでしょうか?
たとえば「80kcal(1単位)のおやつ」というものがあったりします。80kcalならいいか…と思うでしょうが、仮にこれが脂質ゼロ・タンパク質ゼロですべて糖質だった場合について考えてみましょう。
80kcalで全部糖質なら、その食品には20gの糖質が含まれているということになります(糖質1g=4kcalなので)。
そして2型糖尿病患者の場合、個人差はありますが1gの糖質が血糖値を3ほど上げると言われているので(小柄な女性や子供ではもっと上がる場合もあるそうです)20gの糖質が血糖値を60ほど上げる可能性があります。
80kcalしかなくてヘルシー!と言われているスイーツをおやつに1つだけ食べて、ちょっと忙しくて運動出来なかったとして、血糖値が100から160に上がったら悔しいと思いませんか?
もっとも、糖尿病発症前に毎日糖質100g以上のおやつを食べていた方は20gでは血糖値があまり上がらないかもしれませんが💦
ありゃ、たったこれだけでそんなに血糖値が上がるのかぁ。
だって糖尿病なんだもの!!
「太るかどうか」と「血糖値が上がるかどうか」は別物!
コカ・コーラ社のからだすこやか茶のCMで「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」なんていうフレーズがあったように、余って体脂肪になるのは脂肪と糖なんですよね。
「インスリンが大量に分泌されているときに」使いきれず余った脂肪や糖は体脂肪として蓄えられてしまいます。インスリンの働きは血糖値を下げるというか、血液中のブドウ糖を体脂肪に変えて別の場所にとりあえず蓄えてしまう…とも言えますね。
以前、無糖の生クリームをブラックコーヒーに載せたものを食事代わりにしたとき、かなりの高カロリーにも関わらず体重が減っていったので、追加インスリンが分泌されなければ脂質単独では太りにくいのでしょう。
「糖質とタンパク質を同時摂取するとインスリンが大量に分泌される」のは有名な話で、2型糖尿病では特にそれが顕著になるようです。
糖質単独のお菓子は血糖値はガツンと上げますが、カロリー控えめであれば意外に太りにくいかもしれません。なぜなら、その時食べたわずかな分しか体脂肪にはならないから…
でも、糖尿病患者にとって「太らないけど血糖値を爆上がりさせるお菓子」が果たして良いかどうかは疑問ですよね💦もともと痩せている糖尿病患者も日本には多いのですし、なんといっても合併症が心配ですから。
「カロリーが控えめなら血糖値もあまり上がらない」は半分だけ正解かも
カロリーが低いからといって糖尿病患者の血糖値が上がらないわけではありませんが、「カロリーたっぷり」よりは「カロリー控えめ」のほうが血糖値の上がり方は小さいと思います…どちらも同じような「糖質たっぷりの食品」ならね。
糖尿病の程度が軽い方は1度に20gぐらい糖質を食べてもそれほど上がらないかもしれませんが、そうではない方もたくさんいらっしゃると思います。
カロリーが全く無意味とは思いませんが、糖尿病患者であれば糖質量をまず気にするべきかなと思います。
カロリー控えめでも、そのカロリーが全部糖質だったらかなり上がるもんね。
そうね。血糖測定をしてみるといいわ!もちろん食べてしまったらできるだけ運動をしましょう。