「マニュアル通り」ということ

マニュアル通りにしかできない凡人医者

若い医師とベテランの医師の違い

先日、8年ぶりに10日間入院することになってしまった私。運悪くその日は私が通う病院が救急当番ではなかったため、私のことを全然知らない病院に入院したのです。

まだ糖尿病専門医ではない若い医師は「とにかく糖質を食え」を繰り返すばかりで、いくら事情を説明してもダメで、最後は「僕は診療ガイドライン通りにやってるんです!」「ベテランの○○先生の下でやってますから!」と言われてしまいました。

でもベテランの○○先生は、さすがに経験豊富な方だけあって(内科部長)、同じことを言うにしても私が納得出来るような説明をしてくださったんです。

入院の後半は私が普段通っている病院に転院したのですが、最初はいったん病院食を全部食べてみたのです。

 

糖尿病の病院食

(画像は私が入院したときのものではなく、フリー素材の糖尿病病院食)

 

そうしたら食事用のインスリンも打っているのに血糖値がかなり上がってしまい、果物を分食してもめちゃくちゃ上がったので、フリースタイルリブレを主治医に見てもらいました。

主治医は「こんなに上がるのね。柔軟にやってもいいですよ、主食や果物を残しても。足りないなら何か足してもいいですよ。プロテインバー?ああ、いいですよ」「リスプロ4単位は入院中は打ってもらうけど、それで低血糖にならない程度に残していいです」と仰いました。

まさかそこまで許可してくださるとは思わなかったので、正直びっくりしました!でも、こそこそやるのはイヤなので本当にありがたいと思ったんです。

 

なごみ
なごみ

理解あるお医者さんで良かったです。

よっしー
よっしー

あんなに理解ある先生は、めったにいらっしゃらないかな。

マニュアル通りにしか出来ない理由

糖尿病内科の医師たちは、基本的には日本糖尿病学会のガイドラインに従って診療を行っているはずです。

診療ガイドラインがあるのは良いことだと思うんです。というか、そういうマニュアルがないと若い先生は特にどうしていいかわからないでしょう。ちなみに書店の医学書コーナーにあるので私達一般人も買って読むことが出来ますよ♪

ただ、診療ガイドラインがあるからといって、「全ての患者がその方法で何の問題もなく上手くいく」とは限らないのもまた真実なんですよね。

Twitterで複数の糖尿病専門医の方からDMで「教育入院して病院食にしただけで血糖値が下がる人もいるけど、そうでない人もいる」と教えていただきましたが、その先生方は40代でした。まだ専門医ではない若い先生よりもたくさんの患者を診て来られたわけですよね。

そして「病院食でも血糖値が上がるなら食事用のインスリンを打てばいいじゃない」という単純な話ではないのです。

 



 

普通に糖質を摂取しながらインスリン注射で高血糖低血糖もほとんどなく上手にコントロールなさっている方は本当にすごいと思いますし、尊敬します。

ただ…私はそれはとても難しいので自信がないので、少しでも血糖値の乱高下を防ぐためにも糖質制限を選択したのです。

私の主治医は糖尿病内科の中でも上の立場の先生なので、ある程度柔軟に出来るのではないでしょうか。おそらく、私が8年間やってきて今後もちゃんと管理できるだろうと思って今回の入院でも糖質制限を許可してくれたのだと思います。

しかし若い医師は、マニュアルから外れた方法は怖くて出来なかったりするのではないでしょうか…もし何かあったら責任を追求されるでしょうし、患者から自分の知らないことを質問されても何も言えないですよね?

若いイキり医者漫画

 

先日、糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師さんと1時間ほどじっくり話す機会をいただきました。その方はベテランで、何を質問しても納得が出来るように答えてくださいました。さすが!

医師たちが基本的にマニュアル通りのことしか出来ないのは必ずしも「患者のため」かどうかは分かりません。自分たちの責任を追求されたら困るから、という理由も少なからずあるのかもしれません。それは仕方がないことです。

かの有名な医療ドラマ『白い巨塔(唐沢寿明さんバージョン)』を見ても、何かあったときに訴えられるリスクを考えると思い切ったことはなかなか出来ないのが普通なのかなと。

そんな中でも、私のように「マニュアル通りの方法ではなかなかうまくいかない少数派の患者」に合った方法を否定しないで尊重してくれる医師たちには本当に感謝しかありません。

 

管理栄養士や看護師は医師の指示に従う!

入院中に何度も見聞きしたのですが「管理栄養士や看護師、薬剤師などは(内心では違うと思ったとしても)医師の指示に逆らうことは出来ない」ようです。はっきりとそのように言われたこともあります。

退院直前に管理栄養士による栄養指導があったのですが、意外なことに管理栄養士はいわゆるマニュアルからは外れた方法である糖質制限をしてもいいと許可してくださいました。主治医の指示と私の血糖値のデータを尊重してくれたわけです。

その際「本当はマニュアル通りに指導したいと思ったんですけど、たとえば果物ではあまり血糖値が上がらない患者さんもいればかなり上がる方もいらっしゃいますからね」と。

 



 

マニュアル通りの方法で十分にうまくいく患者もいれば、そうではない患者もいる。ただ、「そうではない患者」への指導をどうするかは、医師が決定権を持っている…ということでしょう。

医師が良いと言えば他のスタッフはそれに従うでしょうし、医師がダメと言えばそういうことになります…どんな医師が主治医になるかで運命が分かれますよね!「イキリ期」の若手の先生だったら困ることもありますね。

ちなみに「医師同士」の場合、若い医師は上の医師にはやはり逆らえないようです。『白い巨塔』でも、若い医師が教授の診断(じつは誤診)に何も言えないシーンがありましたね。

 

マニュアル通りにはいかない患者を否定しないで!

Twitterなどではいわゆる「医クラ」の先生の一部が「糖質制限は診療ガイドラインから外れた方法なのでおすすめできません!」「バランスよく食べなければいけません!」などと書いていらっしゃったりします。

また「今は良い薬剤がいろいろあるんだからそれを使えばいいんだ」とも…でもね、先ほど書いたようにすべての患者がガイドライン通りの方法でうまくいくわけでもないですし、新薬を使えば全員が万事解決、血糖値正常化、副作用も一切なし!!とまでは無理なんです。

中にはそういう患者さんもいらっしゃるかもしれないけど、少なくとも私や私の知る他の患者さんたちは「標準治療を否定したい」とか「主治医より自分のほうが上」と言いたいのではなく「ガイドライン通りの方法ではあんまりうまくいかないのでなんとかして欲しい」だけなのです。

イキリ期だったり異常にプライドの高い先生は、患者が困って「他の方法ではダメでしょうか?」と言ってきても、それを自分への反抗だと受け止めてしまうのかもしれません。だからこそ「患者なんてどんなに勉強しても所詮オレらより下!」などとわざわざ書き込む大人げない医師がいるのでしょう。



糖尿病の診療ガイドラインは日本糖尿病学会が作成していますが、学会の評議員の先生が医師の集まりで「日本糖尿病学会は糖質制限を否定するものではない」「糖質は総摂取カロリーの1/3ぐらいが良いのではないか」と発言なさったこともありました。

日本はアメリカのやることを遅れて真似することがよくありますから、かつては糖質制限に否定的だったアメリカ糖尿病学会が段階的に糖質制限を認めてきたのと同様、今後少しずつ変わっていく可能性はありますけど、お米ぐらいしかまともに自給できない食糧事情もあってなかなかスムーズにはいかないかもしれませんね…

とにかく、基本的に医師は診療ガイドラインに従うものですが、それは必ずしも患者のためを思ってのことではないですし、必ずうまくいかない患者は居ます。

そこで「マニュアルにない方法は一切認めません!」という医師と「あなたの場合はマニュアル的な方法では難しいので、あなたに合う方法を考えましょう」と言う医師、どちらを主治医にしたら最もうまくいくのか、それはあなたが考えて選択するべきですね。

「いえ、一般的にはガイドラインから外れてはいけないのであって、個別に対応する場合もあります」という先生もいらっしゃるはずですが、その場合はSNSなどではすべての患者を傷つけないような書き方をしていただけると嬉しいですね。

 

なごみ
なごみ

主治医の許可を得て糖質制限している患者も居るんですものね。

よっしー
よっしー

そうよ!それを否定しないでほしいわね。

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