『モンスターペイシェント』って何だ?
モンスターペイシェントとは、医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す患者(あるいはその親族や友人・知人等)をさす言葉だそうです。
なんとなくピンと来なかったのでネットで検索してみると、糖尿病の疑いで入院した男性が病院は至れり尽くせりで快適であったため、お菓子を食べて血糖値をわざと上げて入院を長引かせた…という例があったそうです。
あとは、医師のちょっとしたミスなどにクレームを付けて診察代を支払わなかったり、待ち時間が長いと言って大声で怒鳴ったりするらしいです。
モンスターペイシェントらしき方が病院で暴れている光景を見かけたことは1度もないのですが、この問題でかなり神経をすり減らしている医療関係者の方々が多いそうで…
私は、糖尿病は長くつきあう病気なので主治医との関係を悪化させないためにこちらもなるべく努力すべきだと思っています。幸い、糖尿病内科の歴代主治医は良い先生ばかりでした。
もっとも、あまりにもおかしいと思う事や疑問に思ったことはきちんと言うべきだと思いますが…それぐらいで怒ってモンスター扱いしてくる先生は「モンスタードクター」なのかも!
ともかく、うっかり「モンスターペイシェント」になってしまわないためにはどうしたらいいか考えてみることにしましょうか。
なるほど…モンスターペイシェントに悩んでいる医療関係者は多そうですね💦
いろいろな方がいらっしゃるからねぇ…
なぜ患者がモンスターペイシェントになってしまうのか
医師を対象にしたアンケートでは「モンスターペイシェントは男性の方が多い」と回答した医師が55.7%で「女性の方が多い」は12.2%、残り32.1%は「男女差は無い」と回答したそうです。
年代は50代の方がもっとも多いという回答が多かったですが、幅広い年代の患者がモンスターペイシェントになるようですね。
もともとクレーマー気質の方というものはいらっしゃって、些細なことで飲食店の店員さんを怒鳴ったりする方は病院に行けばモンスターペイシェントになりますよね。
あるいは「病院へ行ったらすぐにスッキリ治ると思ったのに、なかなか治らないじゃないか!」という不満もあるのかもしれません。もっとも糖尿病自体は遺伝子もかかわる以上「寛解」があっても「完治」はまだ難しい病気なわけですけど。
また「患者がモンスター化するのは医師側にも原因があるのではないか」と考える医師の方もいらっしゃいます。
病気を抱えて不安であり、頼りにできるのは医師だけだと感じている患者たちに対して、多くの医師には時間と手間をかけて向き合い、丁寧な対応を心がけるような余裕がないそうです。
私は総合病院の糖尿病・内分泌代謝内科に通っていますが、病院についてから診察が終わって帰るまで2時間ぐらいかかります…診察時間は短いです。
山ほど患者が来るから仕方がないと思っていますが、そのことを不満に思ったり「先生は冷たい!」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれないですね。
また、患者が痛みなどの症状を訴えているのに医師が「それは気のせいではないですか?」などと言ってしまうことが原因となることもあるそうです。
私も帝王切開後のキズがケロイドにならないようにしたいと皮膚科医に相談した時、「このテープを貼っておけば大丈夫だから」と言われましたが、テープにかぶれた上、明らかに傷の幅が広がってしまったことがあります。
治療前と治療後の傷の幅を定規で測定して記録していたのでそれは間違いないのですが、皮膚科医は「この治療で悪化するわけがないでしょ!」とまるで『私が間違っていると言うの!?』と言わんばかりだったので、怖くて黙って通院をやめてしまいました…あれから14年、傷跡は自然に平坦になりました。
モンスターペイシェントにならないために…
モンスターペイシェントにならないためには、ある意味「医師に期待しすぎることをやめてみる」といいかもしれません。
「医師の言う通りにすれば必ず治るはず」と思うからこそ「真面目に通ってるのに治らないじゃないか!」と思ってしまうわけで。
もしかしたら「この先生こんなことも知らないの!?」と思うこともあるかもしれませんが「ああ、きっと日々の診療に追われて忙しくて、こんなことまで勉強する時間がないのだろう」と考えてみては?
たとえば医学部では栄養学を十分に教えません。欧米ではこれを見直す動きが出てきているそうですが…日本の医師たちが食事のことをあまりご存じないのも仕方がないのかも?
↑なんだかエラそうな先生も「あープライドが高いプライド高し先生ねwww」と思うとなんだか可愛くて気が楽になる…かも!?
病院の待ち時間が長いのは主治医のせいではありません。「もっと医師を増やせ」なんて言われても簡単にはできないでしょう。患者がたくさん来るのを断るわけにもいかないでしょうし💦
医療関係者の態度が冷たいと感じたら辛いですが「あ、忙しくて余裕がないんだな…大変だなぁ」と思うといいかも。実際そうでしょうし。
それでも明らかにあちら側に問題があるという場合もありますけど、まずは一息ついてから。その場で感情的にクレームを入れてしまうと、モンスター扱いされちゃうだけで終わりそう。
私は「お医者様が魔法のように病気をすっかりキレイに治してくれるの~♪」なんて期待は最初からまったく持っていません。それは糖尿病以外のちょっとした疾患で受診する時も一緒です。
なぜなら医師は神様じゃないので…お仕事なんですよ。ひとりひとりの患者に全力で向き合う時間などないのは分かっています。
だから必ず自分でも病気の事を調べるし、出された薬を使って何か良くない変化があれば相談します。それで不機嫌になるような医師なら、残念だけど病院を変えます。
血液検査や尿検査、薬の処方などは医師にかからないといけないので、そのために病院へ行く…病気のコントロールの主役は自分、ぐらいの気持ちでちょうどいいのかもしれませんよ。
「辛いのはこっちだ」と言い合ってもしょうがない
私たち患者が「こんなにひどいお医者さんがいる」と嘆くと医療関係者の方々が「いや、モンスターペイシェントのほうがもっとひどいよ!」とおっしゃったりします。
つまりどちら側にも困った人、ひどい人は一定数いるわけで…それで「そっちのほうがひどい!」と言い合っても何にもならないわけです。
医療関係者も患者もお互いに「そうか、こういうこともあるのか、気を付けないといけないなぁ」って考えられたら良いと思いますが…
モンスターペイシェントと言ってもいろいろなケースがあるでしょうけど、もし「医療関係者と患者の間に生じた些細な行き違い」が原因であるなら、どちらかだけが100%悪いというわけでもないような気がします。
医療関係者も患者も同じ「人間」なのですから、できれば良い関係を築いていきたいものですよね♪
良い関係を築きたいですね!
糖尿病内科はずっとお世話になるわけだしね♪