糖尿病患者はなぜ低血糖になるのか？

糖尿病患者は非糖尿病者よりも低血糖になりやすい？

現在、糖尿病患者の低血糖を防ぐ飲み薬が開発されているのだそうです。その薬は血糖値が下がりすぎた時に血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」を分泌させるのだとか。

糖尿病と言えば高血糖が問題と思われがちですが、低血糖は程度によってはたった１回でも命に関わることもありますからね…

糖尿病ではない人でも何らかの理由で低血糖に陥りやすい方はいらっしゃいますが、特に糖尿病患者で低血糖が問題になりやすいのはどうしてなのでしょうか？

ひとつの理由として「インスリン注射、経口血糖降下薬（飲み薬）」の使用が挙げられます。病院の糖尿病教室でも医師が「低血糖になる原因の多くはインスリンや薬」とおっしゃってました。

食事用のインスリン注射と食事の量やタイミングがうまく合わないと、血糖値が下がりすぎて危険な場合があるのは詳しく説明しなくてもお分かりでしょう。

しかし、インスリン注射や飲み薬以外にも何か「糖尿病患者が非糖尿病者よりも低血糖になりやすい理由」があるのでしょうか？

まじめん

糖尿病患者さんは低血糖になりやすいのですか？

よっしー

そのようね。低血糖は本当に危険なので気をつけなければ…

健康な方の場合、何かの拍子にうっかり血糖値が下がりすぎてもグルカゴンなどのホルモンの働きにより速やかに血糖値は上がるので多くの場合、大事には至りません。

しかし１型糖尿病患者さんの場合、グルカゴンの分泌が障害されており、低血糖になっても回復しにくいことがあるのだそうです。

２型糖尿病患者では一般的にグルカゴンが過剰に分泌されていることが多いけれど、高齢の患者や発症から長い年月が経過している患者では重症の低血糖が起きやすいんですって。

インスリンとグルカゴンは反対の働きをするホルモンですが、糖尿病ではこの２つがうまくバランス良く働かなくなっているのでコントロールが難しいんですよね。

「HbA1c6.0％未満の2型糖尿病患者は重症低血糖のリスクが高い」そうですが、しょっちゅう低血糖を起こしているからこそHbA1cが低い（良好に見える）のでしょうね。

シックデイ（体調不良で食欲がなく、いつもどおりの食事が摂れない）や食事の糖質量の計算を間違えたりなど、食事に対してインスリン注射や薬が過剰なために低血糖を起こすことがあります。

またお酒を飲みすぎると、一時的に肝臓での「糖新生」がブロックされて低血糖になることがあります。その後深夜に遅れて高血糖になることもありますし、お酒は血糖値が乱高下しやすいので困りものですよね…

頻度としては低いそうですが「運動のやりすぎ」により低血糖になることもあるそうです。運動療法を頑張っている方は気をつけてくださいね。

腎臓の機能が低下すると、インスリンが体内で分解されにくくなり、インスリン注射をしていようといまいと血糖値が下がりやすいそうです。

特に食事や運動を変えたわけでもないのに血糖値が改善するので「糖尿病が良くなった」と勘違いして治療をやめてしまう方もいらっしゃるとか！

インスリンを注射していないのに時に低血糖に陥るほど血糖値が下がってくるとは驚きですね。でも言うまでもなく、これは放置してはいけない状態です。

もともと低血糖になりやすい方は比較的まれとはいえいらっしゃいますが、糖尿病患者で特に低血糖が問題になりやすいのは先ほど書いたように「インスリンや薬を使うから」あるいは「グルカゴンの分泌が低下しており、下がった血糖値を上げにくいから」と考えられます。

低血糖が起こった時にブドウ糖などを摂取して素早く血糖値を上げるのは対症療法ですが、しょっちゅう低血糖が起こるのであれば根本的な原因はどこにあるのかを考えなければいけません。

「食事で糖質摂取量が足りないから低血糖になる」と思いがちですが、糖質を食べ過ぎてすごい高血糖になり、その後反動的に急激に血糖値が低下したという経験のある方は多いはず。

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そもそも2型糖尿病患者はただでさえ糖が余りがちで高血糖になるのだから、健常者より大量に糖質を摂る必要がある人は少数だと思いますが、いかがでしょうか。

糖尿病患者が低血糖を起こす原因でもっとも多いのはインスリン注射や薬であり、他の病気の飲み薬や腫瘍などが原因で起こることは比較的少ないようです。

もしあなたがしょっちゅう低血糖を起こすとしたら、その原因は何なのか主治医と改めて考えてみてください。できれば「フリースタイルリブレ」で血糖値の変動を追えるといいですね。

まじめん

なぜ低血糖になりやすいのかを考えて対策しないとね！

よっしー

そうね、そして低血糖を起こしにくい薬が実用化されて多くの人が救われますように。