黒内障とはどういう病気?症状は?
糖尿病患者は、健常者よりも白内障(目のレンズが白く濁る病気)や緑内障(何らかの原因により目の視神経が傷んで視野が欠けていく病気)になりやすいです。
でも実は白内障や緑内障の他に「黒内障」という病気が存在するのです。あまり聞きなれない病名ですが、怖いので気を付けなければいけません。
黒内障は、目そのものには異常な様子が無いのに視力が失われる病気です。一時的に見えなくなるものを「一過性黒内障」と言います。
漫画に登場する男性は高齢の2型糖尿病患者で、高血圧もあり、血糖コントロールはイマイチな状態です。ご飯やお酒が好きでなかなかやめられずにいます。
ある時、突然片方の目が見えなくなりましたが数分後にはまた見えるようになりました。不安になって受診すると「一過性脳虚血発作による黒内障です」と…
「一過性脳虚血発作(TIA)」とは、血管のプラーク(血管壁にへばりついたコレステロールの塊のようなもの)がはがれて血管に詰まったり(血栓)、血圧低下などで脳への血流が低下して起こります。
目そのものは異常が無くても、目の網膜へ血液を送る血管が詰まると一時的に目が見えなくなってしまうのです。詰まった血栓が溶けるとまた見えるようになります。
一過性黒内障は、脳梗塞の前触れと言われておりとても危険なサインです。片方の目が完全に見えなくなるとは限らず、視野が半分欠けることもあります。
ええっ…突然目が見えなくなるなんて怖すぎます!
目が見えなくなるけど目の問題ではなく脳の血管の問題であることに注意が必要ね!
黒内障と糖尿病の関係は?
一過性脳虚血発作により黒内障を起こしやすい人はどのような人でしょうか。動脈硬化が進行している人はリスクが高いです。
動脈硬化のリスクとしては、まず内臓脂肪型肥満・脂質異常症・高血圧・糖尿病・喫煙・体質が挙げられます。アルコールの飲みすぎ・運動不足・ストレス・心疾患・特定の薬物なども原因となります。
マーガリン・ショートニング・ファットスプレッドなどに含まれる人工のトランス脂肪酸も動脈硬化を引き起こします。諸外国では規制されていますが日本では野放し状態なので気を付けましょう。
また血管内のプラークはコレステロールの塊のようなものなので「LDLコレステロール値が高いと危険」と思われるかもしれませんね。
でも実はLDLコレステロール値が高いから危険なのではなく、食後に高血糖になったときに血管内皮が傷つけられるときにプラークがたまるのです。
糖尿病患者の方で毎朝パンなどを召し上がっている方はいませんか?植物油脂を使わない手作りのブランパンなら別ですけど、トランス脂肪酸+食後高血糖の組み合わせは非常に危険です💦
よっしー自身は黒内障の経験はありませんが、2型糖尿病である日起きたら目が半分見えなくて慌てて病院へ行ったという方の話を伺ったことがあります。その後糖質制限をなさっているそう。
一過性脳虚血発作で起こるその他の症状は?
一過性脳虚血発作は、脳のどこかの血管が一時的に詰まって起こります。黒内障の他にもさまざまな症状となって現れることがあります。
手足や顔の一部が動かない・しびれ・力が抜ける・ろれつが回らないなどの症状が現れた場合は一過性脳虚血発作の可能性があります。
このような発作は1日に何度も起きる人もいれば、年に1回あるかないかの人までいます。患者の16〜17%が90日以内に本格的な脳卒中発作を起こし、しかもその半数以上が48時間以内だそうです。
だから黒内障を始め、一過性脳虚血発作と思われる症状があったときは「おさまったから」と安心しないで早く病院へ行くことが大事なのですね。
なお「ゆるゆるな糖質制限(糖質を少し減らして脂質を大量に摂取)」で一過性脳虚血発作を起こした方が複数いらっしゃるとか。これはとても危険なので気を付けなければいけません💦
1日の糖質摂取量が30gのストイックな糖質制限を推奨されていて45年ぐらい継続なさっているバーンスタイン医師は、脚の動脈のプラークがすっかり消えてしまったそうですよ。
黒内障の治療はどうするの?
目の網膜に血液を送る血管が詰まった時は、血栓が溶ければまた元のように見えるようになります。
しかし何度も繰り返すことがありますし、重い脳梗塞を起こすととても危険です。血管が狭くなっている場所を調べてステントを入れて血管を広げたり、血管を広げる薬や血栓ができにくくなる薬を使用したりします。
納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を防ぐ効果が認められているので、1日1回食べるといいですね。血栓は明け方に最もできやすいそうなので、夕食で食べると良いでしょう。
青魚なども良いのですが、せっかく健康効果があると言われている食材も主食と一緒に食べればせっかくの効果が半減してしまうので、糖尿病のみなさんは気を付けて。
LDLコレステロール値が高いとスタチン系の薬(いわゆるコレステロールを下げる薬)を出されることが多いですが、これに関してはよく考えて主治医とよく話し合って慎重に判断してください。
「動物性脂肪が動脈硬化の原因だ」と言われがちですが、なぜ野生のライオンやトラがみんな動脈硬化にならないのか考えてみましょう…彼らは肉を食べますが一緒に糖質を摂取しません!
すでに動脈硬化病変のある方は主治医の言うことをよく聞いて治療しましょう。そうでない方は糖質制限+必要に応じてメガビタミンなども必要かと思います。よく勉強してから始めてくださいね。
動脈硬化はとても怖いですね。必要に応じて治療を受けつつ、自分で出来ることをしていかないといけませんね。
そうね、こういう病気は「薬をきちんと飲んでいればOK」というものではないから気を付けましょうね。