糖尿病でも分食にすれば血糖値が上がらないから大丈夫?デメリットは?

分食という食事方法で血糖値の急上昇を防ぐ

みなさんは「分食(分割食)」について聞いたことがありますか?分食とは、1度の食事でまとめ食いするのではなく、1度に食べる量を少なめにして食事の回数を増やす食べ方です。

仕事で帰宅が遅くなりそうなときは、夕方におにぎり1個食べておき、帰宅後はおかずだけを食べる…というようなやり方です。1回分の食事を2回に分けたような感じです。

妊娠糖尿病の妊婦さんの食事方法として、この分食は一般的に行われているようです。妊婦さんは赤ちゃんのために必要な摂取カロリーが多いのですが、これを3食だけで摂取するとなかなか大変です。

そこで、3度の食事は適量食べて、足りないカロリーは補食(おやつ)で補おうというわけですね。1日に食べる合計量が同じなら、回数を分けたほうが血糖値の上がり方はいくらか小さくなるでしょう。

こうやって聞くと「分食ってすごくいい食事方法だな」と思われるかもしれませんが、本当に糖尿病患者の血糖コントロール方法として分食は良いのかどうか、デメリットは無いのか?ということについて考えてみることにしましょう。

にゃご
食事の回数を多くすれば血糖値は上がりにくくなるのか?

よっしー
そうね、いくらかは上がりにくくなるはずよ。でも問題は、それだけで必ずしも効果が十分とは限らないことね…

分食で血糖値の上昇は本当に抑えることが出来るの?

1度の食事でご飯を茶わん2杯食べるよりは、茶わん1杯を2回に分けて食べるほうが食後血糖値のピークが低くなるのは容易に予想できます。

ただ問題なのは…人によっては、1度の食事でこれだけ摂取しなさいと言われている糖質量の半分でもかなり血糖値が上がるということです。

よっしーは糖尿病で入院した時に管理栄養士さんの指導を受けましたが「分食」に関しては一切説明はなかったですよ。なぜでしょうか?

妊娠糖尿病の場合は分食が一般的に行われています。分食だけでは血糖値を十分にコントロールできない場合はインスリン注射を行うことになります。

一般的に、妊娠糖尿病は普通の2型糖尿病よりも耐糖能異常の程度は軽度ですよね。よっしーも長男を妊娠中に妊娠糖尿病と診断されたときは、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)の1時間値は184で2時間値146と今思えばさほどひどくはなかったです。

それで、妊娠糖尿病の妊婦さんたちですら、分食では十分に血糖コントロールが出来なくてインスリン注射をしなければいけない方はたくさんいらっしゃいます。

ましてガチの糖尿病患者、それも軽度の方ならともかく、よっしーのようにうんと悪くなってしまった患者が分食するだけで血糖値を良好に保てるかというと…うーん、難しいのではないかしらん。

健康な方は何をどれだけ食べても血糖値が150を超えることはほぼないそうです。言い換えれば、血糖値がそれ以上になることは危険だからです。たとえ分食したとしても、食後血糖値を毎回150未満に保てる患者ばかりではないでしょ?

私は糖尿病を発症する前に「玄米を分食」していた!

よっしーは若い頃筋トレに夢中になっており、アメリカのフィットネスモデルの女性たちの体型に憧れて筋肉を増やして体脂肪を落としたいと思っていました。

アメリカの筋トレの雑誌を読み、主食は白米から玄米にチェンジして、1度に食べる量は少なめにして1日5~6回に分割して食べていました。

たとえば、小さめの玄米おにぎり1個とゆで卵orゆでた鶏のササミ、ゆでたブロッコリー少々。こういうものを間食として食べていました。

当時は運動し過ぎじゃないかと思うぐらい運動していましたけど、それで毎日2000kcal以上は食べていましたが順調に体脂肪が落ちて「おおー!やっぱりこの食事法は最強だー!」と喜んでいました。

当時は血糖値もHbA1cも測ったことが無かったので、食後血糖値がどれぐらいだったのかは今となっては分かりません。

実は大学卒業後に入社した会社は最初の年に退職して、思い切って学生時代からどうしてもやりたかった憧れの仕事に就いたんですけど雇用形態がアルバイトだったので、健康診断はごく簡易的なものしかなかったんですよね。

結婚して長男を授かったことが分かり、筋トレは中止しましたがそのまま仕事は続けていて食事回数は減らしました。お菓子も食べず、体重が増えないように心がけていましたが妊娠糖尿病になってしまいました。

「白米を玄米や麦ごはんに変えれば大丈夫ですよ」「分食にすれば大丈夫ですよ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それで大丈夫な人ばかりではないことはご理解いただきたいと思います。

分食にありがちな失敗・デメリットとは?

分食とは本来1度の食事で食べるべきものを2度に分けて食べるような方法なので、きちんとその通りに出来る方であればいいのですが、かなりつらい方もいらっしゃると思います。

常に「ああ、もうちょっと食べたいよぉぉ…!」と感じるような食事量でごちそうさまを言わなければいけないので、結局食べすぎてしまう方もいらっしゃいます。これでは意味がないです。

また分食にすると、その方のライフスタイルによっては食事と食事の間隔が狭くなりすぎることがあります。

ストイックな糖質制限食の場合は食後2時間も経てばほぼ血糖値は元の状態に戻っていることを何度も確認したことがありますけど、普通に糖質の多い食事ではどうでしょう?

もしかしたら、前の食事で上がった血糖値が下がりきらないうちに次の食事をまた食べる…ということにはなっていないでしょうか?

下のグラフはロシュDCジャパン株式会社様のサイトからお借りしました。健常者の方は食後血糖値は速やかに元の状態まで下がっていますが、軽度の糖尿病患者でも次の食事までに血糖値は下がりきっていません。

また重度の糖尿病患者ではさらにその傾向は強く、朝食→昼食→おやつ→夕食…とどんどん血糖値が上昇していますよね!

また、1日に何度も糖質を摂取することは血糖値だけではなく歯の健康にも良くありません。糖質を摂取すると口の中の菌は酸を作り出します。その酸により食事のたびに口の中は酸性になり、少しずつ歯が溶け始めてしまいます(=脱灰)。

しかし唾液はこの酸を中和してくれ、溶け始めた歯の表面を回復させて歯を強くする働き(=再石灰化)を持っています。脱灰されても再石灰化されていれば虫歯にはならないです。

再石灰化が不十分な状態でまた食べると、再び脱灰が起こってしまいます。食事の回数が多いと、1日の中で脱灰されている時間帯が多くなり、虫歯になりやすくなってしまいます

きちんと歯磨きをしているのになぜか虫歯になりやすくて悩んでいるという方もいらっしゃると思いますけど、頻繁に糖質を食べてはいませんか?

そもそも、分食をしてまでどうしても糖質を食べなければいけないのかどうか?

分食を勧める方たちは、前提として「絶対に糖質を食べなければいけない」と思っていらっしゃるのだと思います。

妊婦さんの食事療法にしたって「糖質は赤ちゃんの成長に必要なので絶対に抜いてはいけません」と解説されているサイトが多いですよね。

でもね、何らかの病気で糖質を数時間おきに摂取しないと低血糖になる状態でない限り、糖質を制限しても低血糖にはなりません。

低血糖にならない=正常血糖値をキープ=脳や赤ちゃんにも血液を通して正常に糖は届いてる…これ、なかなか分かっていただけないんですけど、いかがでしょうか?

宗田マタニティクリニックでは妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の妊婦さんたちが糖質制限食で健康な赤ちゃんを出産しています♪健康体であれば、わざわざ分食までして糖質をたっぷり摂取しなくても、胎児の成長にはまったく支障がないというわけです。

ただ、先天的な病気などでどうしても糖質を摂取しなければ命に関わる場合や、「分かっているけどどうしても糖質を食べたくてしょうがない」という方は分食を上手に取り入れるといいでしょうね。

また「自分は痩せているので糖質を食べないと太れないから」という方も多いと思いますが、軽く糖質制限しているつもりで主食を減らし、「野菜はヘルシーだから」と野菜ばかりでお腹を満たしていませんか?

夫は痩せマッチョですが、肉は相当な量を食べていますよ。糖質制限ではこれだけ食べなければ筋肉と体重はキープできないということなのでしょう。かなりの量です!!(正直食費はヤバいです…)

きちんと肉を食べているつもりでも実は足りてなくて、ヘルシーっぽい野菜ばかり食べてどんどん体重が減っていく…という方は少なくないのではないかしら?

糖質をたっぷり食べないとどんどん痩せて死んでしまう…ということはありません。仮にそうであれば、農耕が開始される前の人類はなぜ無事に生き延びてきたのでしょう?

にゃご
どうしても糖質を食べたい人は分食をするのもいいかもな!

よっしー
私の場合はそこまでして糖質を食べる必要は無いので、糖質制限食でいいわ♪

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