糖尿病性ケトアシドーシスを回避せよ!

糖尿病性ケトアシドーシスなのに入院できず…

先日、新型コロナウイルス感染症で自宅療養していた男性が糖尿病性ケトアシドーシスになり、入院できずに亡くなるという悲しい出来事がありました。

 

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私も6年半前に家族のインフルエンザ?がうつって寝込み、数日後に糖尿病性ケトアシドーシスになって緊急入院したことがあるのでその辛さは想像がつきます。あの時は呼吸すら苦しくて「このままだと死ぬ!」と思って救急外来へ行ったのです。

 

DKA回避

 

糖尿病性ケトアシドーシスは適切な治療を行えば死亡率は1%以下だそうですが、自宅で安静にしているだけでは対処できない状態です💦

今回亡くなった方は、新型コロナウイルス感染症のために食欲がなく、食事を摂れないのでインスリン注射を打たずにいたので糖尿病性ケトアシドーシスを発症したそうです。

しかし新型コロナウイルス感染症+糖尿病性ケトアシドーシスという状態の患者を受け入れ可能な医療機関がなく、とても悲しい結果になってしまったのです。

 

にゃご
にゃご

ちゃんと治療できれば助かったのに…

よっしー
よっしー

とても辛い話よ!!

糖尿病性ケトアシドーシスはなぜ起こる?

食事をすると血糖値が上がりますが、健康な方は血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが十分なので食後に血糖値が上がりすぎることはありません。

また食事とは関係なく、24時間少量ずつインスリンは分泌されています。心臓を動かしたりその他生存に必要なホルモンには血糖値を上げる働きのあるものが複数あり、それらとバランスを取るためです。

しかし何らかの原因によってこの少量ずつ分泌されているインスリン(基礎分泌インスリン)が不足すると、体はブドウ糖をエネルギーとして使えなくなってしまいます。細胞が血液中のブドウ糖をとりこみ、エネルギー源として利用するためにはインスリンが必要だからです。

ブドウ糖はたくさんあるのに体はそれを使えないので、何とかエネルギーを得ようとして体は脂肪を分解してケトン体を大量に作ります。

 



 

たまに(よく?)「ケトン体は危険!」と誤解されますが、正確に言えばケトン体が危険なのではなく「体が危機状態に陥った時にケトン体が大量に作られることがある」です。

難治性てんかんのお子さんの食事療法ではかなり血液中のケトン体が多くなりますけど、それとケトアシドーシスはまったく異なりますもんね!

何も食べなくても、肝臓は「糖新生」を行いブドウ糖を作ります。インスリンが働かない状態では絶食をしていても血糖がどんどん増えます。

私が糖尿病性ケトアシドーシスで入院した時、前日の昼過ぎから何も食べていなかったのに血糖値は475もありました。時に1000を超える方もいらっしゃるそうです。

 

 

「糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病の方がインスリン注射をしなかった場合に起こる」のはよく知られていますが、患者のうち20~30%は2型糖尿病だったという報告もあるそうです。

2型糖尿病患者であっても、感染症などによって生理的ストレスが増大している状況では糖尿病性ケトアシドーシスが起こり得るそうです。

私はインフルエンザらしき症状で寝込んだためにそうなったのかもしれません。新型コロナウイルス感染症なども同様に危険だと考えられますよね💦私の場合、かなり前から糖尿病を発症していることに気づかなかったのが本当にまずかったです。

ちなみに肥満の若い2型糖尿病の男性に多いのはペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)です。清涼飲料水の飲みすぎで急激に血糖値が1000前後まで上がりますが、入院して治療すればその後はインスリン注射不要となる事が多いそうですよ。

 

糖尿病性ケトアシドーシスを回避するには?

糖尿病性ケトアシドーシスを防ぐには、まず基礎インスリンを注射している方はそれを打ち忘れたり自己判断でパスしたりしないことです。

食事をしない時に食事用のインスリンを打たないのと、基礎インスリンを打たないのとでは意味が異なります。基礎分泌インスリンは食事とは無関係に常に必要なので💦

また糖質制限を行っている場合、SGLT2阻害薬を服用している場合も注意が必要です。この場合は体内でケトン体が増えやすいのですが、そのこと自体が危険なわけではありません。

インスリンがきちんと働いている状態ではケトン体が増えても血液が酸性に傾くことはありません。健康な状態では呼吸によって調整が行われているからです。

 

ケトン体が出過ぎるとケトアシドーシスにならないの?
糖質制限をして血中ケトン体が増えすぎると危険な「ケトアシドーシス」になるのではないかと心配な方へ。

 

もしそうでなければ私などとっくに死んでいます!経験された方ならお分かりだと思いますが、少しでも血液が酸性に傾くというのは非常に危険な事です。食べ物で簡単に血液が酸性になったりするなら命がいくつあっても足りませぬ。

とにかく「インスリンが十分に足りていない状態」での糖質制限やSGLT2阻害剤は時に危険な場合があるので、十分に気を付けましょう。糖質制限を推奨する先生方も、基礎インスリンが足りない場合は注射が必要だとおっしゃっています。

もし糖尿病のあなたが体調に異変を感じたら、自己血糖測定をしてみてください。極端に血糖値が高かったり下痢・嘔吐・高熱が続く場合、呼吸が苦しい場合などはすぐ医師に連絡を。

そしてこれは入院中に当時の主治医から言われたのですが「風邪やインフルエンザだからって必要以上にスポーツドリンクを飲みすぎて高血糖になる人がとても多い」そうです。私もみかん、乳酸菌飲料、うどんなど糖質しか口にしませんでしたね、そういえば💦

 

 

感染症を100%予防することは困難ですが、日ごろから血糖コントロールやインスリン注射の打ち忘れに気を付けて清涼飲料水や果物の摂り過ぎにも注意しましょう。

そして、変だと感じたら自己判断せず、病院に電話して主治医の指示を仰ぎましょう。予めこのような時にはどうしたらいいか話を聞いておくといいです。

糖尿病性ケトアシドーシスは入院も長くなりますし大変な事態です。できれば、そうならないように気を付けなければね。

 

にゃご
にゃご

糖尿病性ケトアシドーシスにならないように気を付けよう!

よっしー
よっしー

今の季節だとジュースにも気を付けましょうね。

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