サイレントキラーとはいったいどういうこと?
糖尿病は「サイレントキラー」「沈黙の殺人者」と呼ばれています。音を立てず静かに忍び寄って、ある日突然あなたの命を奪うことがあるからです。
糖尿病と聞くと「血糖値が高くなる」「尿に糖が出る病気だ」と思われるかもしれませんが、別にちょっとばかり血糖値が高くなったり尿糖が出ること自体が危険なわけではないです。
糖尿病がなぜ怖い病気かというと、ほとんど自覚症状もないままいつの間にか糖尿病合併症が進行していき、やっと気が付いたときにはもう手遅れで治せない…ということが少なくないからなんです💦
中には自分が糖尿病であることに気付かず、視力が低下して眼科を受診して初めて重度の糖尿病であることを知った患者さんもいらっしゃるそうですよ。
病院の糖尿病教室で聞いた話では、日本の糖尿病患者できちんと通院して治療している患者は約半数だそうです。
「なーんだ、それじゃ糖尿病合併症になるのは治療をしていなかった残り半数の人たちなんだな」と思われるかもしれませんが、決してそうとは限りません。
真面目に通院していても血糖コントロールがイマイチな患者さんはとても多いです。2型糖尿病患者で治療している方たちの平均HbA1cは7ちょいですから💦
しかも血糖値が比較的良好でも、高インスリン状態(注射や自分のすい臓のβ細胞から分泌されるインスリンが体内に大量にある状態)では糖尿病合併症が進行する例があるんですって。
ちゃんと病院へ通って治療していてもあまり良くならない人がそんなに多いだなんてショックだよな。
糖尿病歴の浅い方、この先どうなっていくか分からないわよ。
本当に糖尿病で死ぬのか?
もしかしたら「糖尿病合併症が進行したら最悪、目が見えなくなったり人工透析になることはあるだろうけど死ぬことはないだろう?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも結論から先に書くと、「糖尿病が原因で死ぬ」ことはあります!まず糖尿病の急性合併症である「糖尿病性ケトアシドーシス」「高浸透圧高血糖症候群」から。
よっしーも4年前に経験した「糖尿病性ケトアシドーシス」は若い人や1型糖尿病に多く起こると言われ、何らかの原因で体内でインスリンの作用がほとんどなくなることにより発症します。
「高浸透圧高血糖症候群」は高齢の2型糖尿病患者に多く、何らかの理由で高血糖になることによりひどい脱水状態になり、放置すると昏睡状態に陥ることがあります。
糖尿病性ケトアシドーシスで死亡する確率は1~10%、高浸透圧高血糖症候群の場合は死亡確率は最大で40%だそうで、非常に危険な急性合併症であることが分かります💦
これらの急性合併症で死ぬこともあるのですが、いわゆる一般的にイメージされる糖尿病合併症で死亡するケースももちろん多いです。
よっしーは糖尿病神経障害があり、心拍数を調整する自律神経の働きが悪くなっています。自律神経障害があると、無自覚性低血糖(低血糖の自覚症状が出にくい)や不整脈による突然死が起こりやすくなります。
4年前にCVR-R検査という自律神経障害を調べる検査を受けたところ、正常値3~5のところ1.55という数値で「すごく悪い」と言われたのですが、現在は少しは回復しているでしょうか。またいずれ再検査を受けてみようかしら。
「糖尿病は怖い病気です」と脅すだけでは無責任!
「糖尿病は怖い病気です」「糖尿病合併症にならないように気を付けましょう」「糖尿病を甘く見てはいけません」などと注意喚起するサイトや健康ニュース、健康番組は多いです。
糖尿病合併症のある糖尿病患者のよっしーは、糖尿病の恐ろしさを伝えるのは大いに結構だと思います。
ただ…「糖尿病は怖い」と煽るだけ煽っておいて、じゃあどうしたらいいのかというと「血糖値に効く健康食品をおすすめします」「野菜をたっぷり食べましょう」「あの神食材で…」「きちんと薬を飲みましょう」などなど。
はっきりいって、その程度の事でみなさん糖尿病合併症の進行を防ぐことが出来るのなら誰も苦労しませんよ!合併症の怖さを知らない方が無責任なことを言わないでいただきたいです。
よっしーが糖尿病と診断される前、糖尿病に関するサイトを見るたびに悲観的になり「糖尿病になってしまったらもうおしまいだな…」とため息をついたのを覚えています。
ただ糖尿病の恐ろしさを訴えるだけではなく、本当に効果のある方法もセットで伝えてくれないと不十分です。
糖尿病合併症は治らないのでしょうか
糖尿病の慢性合併症(網膜症・神経障害・腎症など)はごく軽度であれば回復するものもありますが、ある程度進行してしまうと後はどんなに血糖値を良好に保っても改善は難しいとされています。
病院の糖尿病専門医の先生は糖尿病教室で「死ぬときにちょっと足がしびれていてもいいじゃないですか」とおっしゃいましたが、これは「神経障害は治せないけど、それ以上進行させないように頑張って食い止めましょう」ということですよね。
作家の故・桐山秀樹さんは「心筋梗塞になりかけていた可能性がある」との診断を受けた後に糖質制限を開始され、ぐっと痩せて血糖値も正常化して玄米などを食べても大丈夫になられたそうですが残念ながらお亡くなりになりました。
残念ですが、すでに心臓の冠状動脈の動脈硬化が起こっていたとしたら、いくら頑張ってもその状態は簡単に改善することはなかったのではないでしょうか…
やはり、できるだけ早く…全身の血管や神経がボロボロになる前にできるかぎり早く糖尿病に気付き「正しい」対策を始めるのが最善なのです。
次男を出産後、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)でギリギリ正常値だったためにその後内科でのフォローもなく、専業主婦で血液検査を受ける機会もなく8年間放置してしまった私。
どうかみなさんは、こんなことのないように十分に気を付けていただきたいのです。糖尿病を放置するのは論外として、きちんと通院して治療していても必ず合併症を防げるとは限りません💦
糖尿病はサイレントキラーです。本当に恐ろしいです。ただ「怖い怖い」と恐れるだけでは何にもならないので、どうしたら良いのか皆で一緒に前向きに考えていきませんか?
糖尿病で死なないために何をすべきか考えよう!
何が正しいのか、テレビの受け売りではなく自分の頭で考える習慣をつけないと自分の身は守ることが出来ないわ!