子供の糖尿病対策をしてきたのに結果は過去最悪！？
人口10万人あたりの糖尿病死亡率が全国で2番目に高い(2021年の国の人口動態統計による）香川県では糖尿病対策の取り組みを行っているそうです。
しかし昨年度は小学生で脂質異常とされる割合が10%、糖尿病発症リスクが高い割合も16%に上り、直近10年で最悪となったそうです！
香川県では平成24年（2012年＝11年前）から県内全域の小学4年生を対象として血液検査を行い、将来糖尿病になるリスクが高い子供を早く見つけ出して保健指導を行ってきたはずですが…
香川県が配布しているパンフレットには、子供の糖尿病予防対策として「朝ごはんを食べる」「よくかんで食べる」「野菜や果物をしっかりとる」「赤・黄・緑をそろえて食べる」「夜食や間食はとりすぎないようにする」「食塩は控えめに」「定期的に運動する」などが書かれております。
別にこれらの対策が間違っているとは言いません。大人でも、ただ糖尿病教育入院をして食事の量を人並みの量に減らすだけで劇的に血糖値が下がり、わりと簡単に寛解する方までいると聞いています。これまでまったく運動していなかった方がジムで筋トレを始めた、なども同様です。
ただし問題は「これらを実践するだけでは効果不十分な人たちが間違いなく存在すること」ですよね。そして「これら以上に何か子供たちの血糖値を悪化させる原因があるのではないか」という点についても考える必要があるでしょう…何しろ、対策してきたにも関わらずその結果がここ10年で最悪の結果となったわけですから！
10年も頑張ってるのにこの結果はひどいにゃー！！
ね！香川県だけの問題じゃないと思うの。
2型糖尿病は遺伝か生活習慣か？
1型糖尿病などと比較すると、とかく「生活習慣病」として悪く言われがちな2型糖尿病。香川県の子供に多いのも2型糖尿病予備軍です。
だけど2型糖尿病って、遺伝でインスリン分泌不全（必要な量のインスリンを分泌できない）になりやすい体質の上に何らかの後天的な原因が加わって発症するので、どんなひどい生活をしていてもならない人は一生ならないんです。
もしかしたら、糖尿病体質の方が比較的多く住んでいらっしゃる地域ということもあり得るんじゃないですかね？
もともとの体質も大きく関わるので、香川県が「うどん県」だからって短絡的に「米は問題ないがうどんは糖尿病に良くないのだ！」などと決めつけるのは良くないと思います。
個人差も有るでしょうけど、少なくとも私は米だろうと小麦だろうと同じように血糖値は爆上がりしますしね…入院していたとき、主食がパンの日もごはんの日も食後血糖値の上がり方はほぼ同じでした！糖質だもの。
現代の小学生は全体的に昔よりも運動量が減っているかもしれませんが、特に香川県だけが他の県と比べて運動不足とは言えないんじゃないでしょうかね？体育の授業もありますし。
似たような話で「昔は糖尿病が少なかった。ゆえに昔の日本の食生活が最適なのだ！」という決めつけがありますけど、運動量も違いましたし、何より糖尿病の自覚症状が出てくるまでにお亡くなりになった方も相当数いらっしゃったのではないでしょうか。がんや2型糖尿病は、長生きするようになったゆえの悩みなのかもしれません。
対策がイマイチ効果がない！その時どうすべきか
これは香川県の糖尿病対策に限った話ではありませんけど、何かを予防するために予算や時間をかけて一生懸命やってみたことでも、冷静にその効果を評価することが大事ではないでしょうか。
もし期待した効果が得られていなかったり、逆に悪化してしまったようであれば、何がいけなかったのか見直して軌道修正することが重要だと思います。
少し前に糖尿病の名称をダイアベティス（古代ギリシャ語で「尿が常に出る」とかそういう意味の言葉が元になっているけどいいのかしら？）に変えるとかなんとか話題になりましたね。
その時に2型糖尿病についてあまりご存知ない方たちが「2型糖尿病は自業自得の病気」などと随分叩いていたらしいですが…「よくかんで食べましょう」「野菜や果物を多く」「運動しましょう」程度で予防できる子ばかりならもっと良い結果が出ています。
その方法自体にあまり効果がないのならもちろん困りますし、仮にその方法が辛くて実践できない子が続出したのだとしたらそれはそれで問題ですよね。
そして、ここ数年で子供たちの血糖値に何か良くない影響を与えていそうなものがあるでしょうか？もし思い当たることがあるとすれば、そろそろ冷静に評価しなければいけないのではないでしょうか？
どんな対策も、効果が出ていないようなら見直さないとニャ！
しんどいわりにあんまり効果が出ていないことは特に辛いものね！
