糖尿病患者はプロテインでも血糖値が上がる?
よっしーは妊娠糖尿病(2度目は糖尿病合併妊娠だったかもしれません)のあとの検査でギリギリ正常値だったため、その後糖尿病内科に通うようにとの指示もなく何年も放置していつの間にか重症の2型糖尿病になってしまいました。
同じ2型糖尿病でもごく初期の場合は空腹時血糖値はあまり高くないこともあります。その場合は糖質制限をするだけで血糖値はすみやかに正常化します。
ところが、よっしーたちの場合はそういうわけにもいきません。糖質摂取とは無関係に空腹時血糖値がいろいろな原因によって上がりがちだからです💦1型糖尿病の方たちもそうです。
前回の糖尿病内科の診察でHbA1cが高いことを不審に思いFreestyleリブレを使用して、朝食に糖質がわずかしか含まれていないホエイプロテインを飲んで血糖値がかなり上がっていることが判明しました。
糖質が少ないから大丈夫だと思って安心していたんですけど、盲点でしたねぇ…ちなみに同じプロテインを昼や夕方に飲んだ場合はそれほど血糖値は上がりませんでした。
健常者の方はそうではないのでしょうが、糖尿病患者は単に糖質さえ控えれば万事OK…というわけにもいかないようです。やれやれ💦
糖質がごくわずかしか含まれていないのに血糖値が上がるのはやりきれないなぁ。
タンパク質が不足した状態では筋肉も減るしねぇ…
なぜ糖質がほとんど含まれていないのに高血糖になるの?
じつは、1型糖尿病患者さんと一部の2型糖尿病患者さんではタンパク質を食べてもある程度血糖値が上昇します。
タンパク質を構成するアミノ酸の中には、インスリンを分泌させやすい種類のものがあります。健常者ではインスリンに見合った量のグルカゴンが同時に分泌されるので血糖値は上がりも下がりもしません。
しかしインスリン分泌能力が低下していたり、血糖値を上げるホルモンのグルカゴンの分泌が亢進していたりすると「タンパク質を食べた後、糖質ほどではないけれど血糖値が上がる」ことになるのです。
糖尿病患者は空腹時も血中グルカゴンが増加しており、食後にもグルカゴンが必要以上に増加するそうです。
糖尿病患者が食後高血糖になる原因はインスリン分泌不全のほか、グルカゴンが過剰に分泌されるせいでもあると考えられているんですって。
2型糖尿病患者の場合、インスリン分泌能力がある程度残っていてもグルカゴンにより血糖値が上がりやすいタイプの方がいらっしゃるんだとか。
よっしーの場合、昼や夕方にホエイプロテインを飲んでも何ともありません。早朝のみホエイプロテインで高血糖が起こることが分かりました。
朝は1日の中でもっともインスリンの効きが良くない時間帯です。何も食べていないのに明け方から血糖値が上昇する糖尿病患者さんは多いでしょう?
インスリンの効きが良い時間帯なら対応できても、朝だけはある種のアミノ酸による血糖上昇には十分に対応しきれない…つまり、ちょっぴりインスリン基礎分泌が足りないのがよっしーなのでしょうね。
ちなみに女性ホルモンの影響で月経前は1日中血糖値がやや高めになるのですが、これも女性ホルモンのプロゲステロンの働きでインスリンの効きが悪くなるためだと思われます。
インスリン注射を打ったりグルカゴンの分泌を抑制するような薬を使用すれば抑え込めるのでしょうけど、副作用を考えるとできれば使用せずになんとかしたいと思っています💦
脂質が足りないと空腹時血糖値が上がりがち??
内科医の水野雅登先生の本「薬に頼らず血糖値を下げる方法」には、インスリン基礎分泌(食事とは無関係に24時間ちょっとずつ分泌されているインスリン)が少し足りない患者について書かれていました。
特に痩せていて体脂肪が少ない患者、運動量の多い患者などは脂質の摂取量が十分でないと糖新生によって血糖値が高くなりがちだそうです💦
何も食べないし運動もしているのに血糖値が上がるなんて許せませんよね。確かに、身に覚えがないのに空腹時が高いなと感じた時にバターやMCTオイルを摂取すると30分ぐらいで血糖値が下がってきます。
何も食べなければ血糖値は下がりますが、はっきりいって半日やそこらではほぼ変わりません。それよりもバターをつまんでみてください。リブレをつけていれば血糖値の変動がすぐにわかりますよ。
BCAAやオムレツでは血糖値は上がらなかった!
糖質制限をしながら体作りをなさっている方から「ホエイプロテインで血糖値が上がるとしても、BCAAならもしかすると大丈夫なのでは?」と教えていただきました。
BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンというアミノ酸で、スポーツ時に摂取する方も多いのでその存在は昔から知っていました。
アミノ酸のうちロイシン、アルギニン、リジンは糖尿病患者の血糖値を上昇させ、イソロイシンはインスリンとは無関係に筋肉に血糖を取り込ませたり肝臓での糖新生を抑えて血糖値を下げる働きがあるそうです。
※ロイシン、アルギニン、リジンはインスリンの分泌を促すので、インスリンを十分に分泌できる健常者の場合は血糖値は上昇しないか逆に下がることがあります。
タンパク質の種類によって含まれるアミノ酸のバランスは異なります。上のグラフはATHLETEBODY.jp様のサイトからお借りしました。
糖質とタンパク質量をそろえても、プロテインの材料によって食後のインスリン分泌量はかなり異なるようですね。なんと、ホエイプロテインは卵の2倍もインスリンを分泌させる!?
糖代謝を改善させるとされるイソロイシンを多く含むBCAAサプリメントやたっぷりのオムレツでは朝の血糖値がほとんど上昇しなかったのは、アミノ酸組成の違いにあるのだと思われます。
健常者やごく軽度の2型糖尿病の方の場合は、朝食にホエイプロテインを飲もうがオムレツを食べようが血糖値の上がり方はあまり違わないかもしれません。
たとえタンパク質で血糖値が上がるとしても…
ヒトの体内では合成できないが、絶対にヒトが生きていくために必要な種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。
インスリン分泌を促すために糖尿病患者の血糖値を上げやすいといわれるリジンやロイシンも必須アミノ酸に含まれています。
たとえ血糖値が上がるとしても、ヒトである以上私たちはそれらを避けるわけにはいきません。内臓も肌も筋肉もアミノ酸がないとボロボロです。アミノ酸は毎日少しずつ新しいものと入れ替わっています。
そしてタンパク質と糖質を同時に摂取するともっとも大量にインスリンが分泌されます。若かったころのよっしーは筋肉を増やしたくて筋トレ後にプロテインと玄米おにぎりを摂取していましたが、この繰り返しがすい臓のβ細胞に大きな負担をかけた可能性がありますね💦
多くの健康な方(肝臓が糖を作り出す能力や脂質代謝に異常のない方)にとって糖質は必ずしも経口摂取する必要はありません。取り過ぎればダメージを受けます。
だったらインスリンが分泌されるとしても大切なタンパク質はしっかり確保し、糖質だけでも控えて無駄にインスリンが分泌されることを防ごうというのは自然なことです。
よっしーは朝にホエイプロテインを飲むのをやめ、朝食は大きなオムレツだけにしています。ホエイプロテインを飲むなら午後にします。この時間帯なら血糖値の上昇はほとんどありません。
たとえインスリンの分泌を促すとしても、タンパク質はその人にとって必要な量(個人差あり)をきちんと確保しなければいけません。時間帯によって内容を工夫してみましょう♪
そして食事の工夫だけではどうしようもないほど血糖値が上がってしまう場合は、薬やインスリンの使用を考える必要がある場合もあるかもしれません。主治医によく相談してくださいね。
タンパク質で血糖値が上がるのならなおさら、糖質には気を付けないといけないな。
そうね、特に軽度の2型糖尿病患者は高インスリン血症が問題になることも多いんだからね。