糖尿病腎症患者は亜鉛不足?
最近、亜鉛サプリメントを毎日1カプセル飲んでいたにも関わらず血液検査で亜鉛がやや不足気味と分かってびっくりした私です。
糖尿病患者はそうではない方と比べて亜鉛不足の傾向にある方が多いそうですからね…あなたは大丈夫ですか?
さて、糖尿病患者にとってかなり気になる記事を発見しました…人体に多く含まれるミネラル・亜鉛の不足が、腎機能障害や動脈硬化リスクにも影響を及ぼす可能性があるというのです。
糖尿病腎症ではまず、本来は尿には出ないはずのアルブミンが漏れてくるようになります。その後進行するとタンパク尿になり、腎機能が低下していきます。
このアルブミン尿が出ている糖尿病患者では血液中の亜鉛の濃度が低いこと、また慢性腎臓病が進行するにつれて亜鉛濃度が低くなっていくことはすでに知られていました。
アルブミン尿が出る2型糖尿病患者に亜鉛元素50mg(注:私が飲んでいる亜鉛サプリメント1カプセル中に含まれるモノメチオニンは30mgですが、亜鉛元素としては6.1mg)を12週間飲ませた所、血糖値、中性脂肪、アルブミン尿が減少したそうですが…
亜鉛なんて特に意識していない人が多そうだな。
そう思うわ。
普通に食べているのになぜ亜鉛不足になるの?
医師の中には「普通に食事していればビタミンもミネラルも足りてます!サプリメントは必要ない!」とおっしゃる方も居ます。
しかし実際には、日本人の平均亜鉛摂取量は、厚生労働省が推奨する摂取量に比べて男女とも20歳代以降で少ない傾向にあるそうですよ。
食事をしていても亜鉛不足になる理由としては、①食事に含まれる亜鉛が少なすぎる、②亜鉛が体内で十分に吸収されない、③何らかの理由で亜鉛の必要量が増加しており、食べる量が追いつかない、④何らかの理由で亜鉛の体外への排泄量が増加している、だそうです。
1回に食べる量を考慮すれば、亜鉛を効率よく摂取できる食品として牡蠣、うなぎ、レバー、赤身肉などが挙げられます。これらを避けていると亜鉛不足になりがちなのかもしれません。
また人工透析を行っている患者や、亜鉛と結合して亜鉛の吸収を妨げる薬剤(利尿薬や降圧薬など)の服用によって亜鉛不足になることがあるそうです。
鉄やカルシウムサプリメントの大量服用も、亜鉛の吸収を妨げる可能性があるとのことです。若い女性は鉄欠乏性貧血の方も多いですし、バランスが難しいですねぇ…
とにかく、「ちゃんと1日3回食べていてもいろいろな理由で亜鉛が足りていない」日本人が多いのは事実であり、糖尿病患者では健康な方よりもさらにその傾向が強いのです。
亜鉛やビタミンBなどを補ってみてもいいかもしれない
東京慈恵会医科大学柏病院病院長・臨床検査医学講座教授の吉田博先生によれば、2型糖尿病患者の血清ホモシステイン(血液中に存在するアミノ酸の一種、多すぎると動脈硬化による脳卒中や心血管疾患のリスクとなるとされる)濃度と栄養因子(亜鉛、葉酸=ビタミンB9、ビタミンB12)および腎機能、アルブミン尿との関連を検討したところ、以下のような結果が得られたそうです。
・亜鉛などの栄養因子は、血清総ホモシステイン濃度と有意な負の相関を示した。
・ただし女性では血清亜鉛濃度および尿中アルブミン濃度や葉酸濃度と血清総ホモシステイン濃度に有意な関連性は見られなかった。
血清ホモシステインの増加はアテローム性動脈硬化(動脈にプラークがたまり、血管が狭くなったり詰まったりする病気)を促進させ、そのことが腎不全の増加を引き起こすと言われています。
今回なぜ女性では男性のように有意な関連性が見られなかったのかはわかりませんけど、糖尿病腎症の方、亜鉛不足かもしれない方は試してみる価値はあるのではないでしょうか。
ビタミンB群は水溶性サプリメントなのであまり気にしないで飲めると思いますけど、亜鉛は空腹時に飲むと吐き気を催す方もそこそこ多いようなので気をつけてくださいね!
足りていないことに気づきにくいから気をつけないとね!
新しいものを飲み始めるときは、1種類ずつにするといいわ。