Yahoo!ニュースに『森永卓郎さんは糖尿病が完治 12年前は「足が象の脚のようにパンパンに腫れて…」』というタイトルのニュース記事が載っていました。
森永卓郎さんといえば以前から「2型糖尿病で糖尿病網膜症があり、失明するかもしれないほどの状態、そこから糖質制限とトレーニングで数値が改善した」ことは何度も雑誌等で取り上げられていたので知っておりました。
今回気になったのはニュース記事の書き方です。『HbA1cも5.8%まで下がり、眼底出血もなくなりました。つまり、5年間治らなかった糖尿病が一気に治ったのです。私を診ていた医者たちがみんな驚いていました。完全に治っちゃう人は、あまりいないんですって』とのことですが…
私も7年前にかなり進んだ糖尿病と診断され、糖尿病神経障害・糖尿病網膜症・黄斑浮腫・糖尿病腎症が見つかって愕然としました。
中でも目は、眼底に白い砂利をばらまいたようになっていて小さな出血跡がいくつもあり、目の網膜の黄斑という部分に液体がたまっていたのです。
それが経過観察のみで自然にきれいになり、最近は黄斑浮腫はなくなったと言われています。しかし「糖尿病が治った」「糖尿病網膜症が治った」とはまったく思っていません。
なぜなら今の状態は「まったく健常者と同じ」ではないですし「努力によって改善した状態を保っているだけ」であって、それは「完治」ではなく、どうかすればまた浮腫や出血がぶり返す危険性があるからです💦
森永さんはもともと運動しないで1日6~7回も食べ、甘い炭酸飲料も飲んでいらしたそうです。それが現在は糖質制限とトレーニングによって良い状態をキープしていらっしゃいます。
それは努力による「寛解」であって「完治」ではないんですよね、残念ながら。本当に完治であれば、元のような運動なし&暴飲暴食生活をなさってもHbA1cはもっと低い数値(正常値)にとどまるでしょう。
単なる言葉の問題と言えばそうなのですが、2型糖尿病は「寛解」する人はいても「完治」とは違うということははっきりしておかなければいけません。
森永さんはこれからも努力を継続していかれるでしょうが、以前当ブログでも紹介したように、最初は薬なしで改善して「もう糖尿病は治った」と油断しているうちに前よりも悪化してしまい、寛解が見込めなくなった方もいらっしゃいます。
なお「糖尿病予備軍」の段階であれば、努力によって完治した方もいらっしゃるそうですよ。単に血糖値が正常値というのではなく経口ブドウ糖負荷試験で正常値になったそうです。
しかしガチの2型糖尿病は早期なら「寛解」が見込めますが「完治」とは違うのでずっと気を付けていかなければいけません。運動するとか糖質または脂質の摂りすぎをやめるのも薬を飲むのもすべて「努力」です。
気を付けていかなければいけない、という点で糖尿病は長くつきあう病気なんだよね!
本当に糖尿病と無縁の人は、何をしても一生糖尿病と診断されることはないんだものね。1度でも言われたらずっと気を付けるの。